本記事では、推しの子最新166話(最終話)「星」についての率直な感想と大炎上した理由について徹底解説していきます。
※本記事は本作の重大なネタバレを含みます。ご了承ください。
※批評注意
推しの子166話(最終話)感想・ネタバレ
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会
まずは赤坂アカ先生、横槍メンゴ先生長期に渡る連載本当にお疲れ様でした!!
先に結論を言うと推しの子最終話は世間でもかなり炎上していますが、一個人の意見としては…
流石にこれは炎上しても仕方ない…
正直かなり消化不良気味で打ち切り感が拭えない最終回でした。
個人的に【推しの子】は原作が大好きで、アニメ1期放送前の先行上映会に行って号泣し、そのまま衝動的に漫画を買ったほど愛していた作品だったので、余計に残念に感じました。
前回からアクア死亡で世間でもかなりの衝撃を呼びましたが、正直なところ赤坂アカ先生がこのまま読者の望まない救いなき結末を描くのかとかなり違和感がありました。
……がまさかそのまま皆んなが救われずに締めてくるかと唖然としましたね。
終盤の有馬かなの扱いやツクヨミの謎、数多くの伏線が未回収のままで終わったことには驚きました。
まるで、赤坂アカ先生が別の新連載に集中したいからと投げやりに終わらせたように感じてしまい、残念でなりません。
赤坂先生の作品は、かぐや様の原作同様、序盤の面白さは一級品ですが、物語の終わらせ方に関してはかなり物足りなさを感じてしまいます。
ここからは、【推しの子】がなぜこれほどまでに炎上したのか、その原因を深く探っていきます。
推しの子最終回の炎上理由
炎上した理由1.誰も報われないバッドエンド
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会
例として誰も報われないエンドだと私が真っ先に思いつくのは「最終兵器彼女」ですが、あの作品に関しては、戦争、愛、人間の苦悩といった重いテーマを扱っていて単なるエンターテインメントとしてではなく、深いメッセージを伝えようとしています。
その為、結末が悲劇的であっても、その必然性や作品全体のテーマ性を考慮すると、ある程度理解される部分があります。
復讐を選んだ時点でアクアは幸せを手に入れることはできませんし、仮にそれを実現してしまったらご都合主義になりかねないとは思います。
それでも、もう少し違う方法があったのではないかと感じてしまいます。
例えば、これまでのストーリーがすべて演技であり、15年という嘘が映画の芝居だったとするのも一つの手だったかもしれません(もちろん、カミキヒカルが先に捕まっているという前提ですが)。
お葬式の有馬かなの悲痛な叫びもそうなんですが、1番心にきたのは姫川が後ろで静かに泣いてる描写ですね…またもカミキヒカルの手によって家族を失う彼が本当に可哀想で仕方ありません。
あんなに頑張ったアクアも最後まで救われない…どうしてこんな結末を選ばなければならなかったのか…
アニメのエンディングでメフィストの歌詞を物語後半とリンクさせる展開は理解できますが、無理にそれを押し込めた結果、ストーリーが破綻してしまったのが残念でした。
何よりも、もう少し希望を感じられるラストにしていれば、物語がもっと違った印象になったのではないかと思います。
炎上した理由2.伏線・謎がほったらかし
アニメ『【推しの子】』公式サイト
☆未回収の伏線・謎
- アクアとルビーが転生した意味。
- ルビー宛のDVDの謎。
- ツクヨミという存在。
- ルビーがインタビュー受けてたコマの荷物運んでたのは?
- 今更さりなの母親出したのにルビーと絡ませなかった意味。
- 最序盤の「この物語はフィクションである」
- 【】の真意。
細かい箇所はまだまだありますが、特に納得いかなかったのはツクヨミですかね。最終回で彼女の正体が実は転生後のアイとかだったら彼女を登場させたのも十分納得ができるんですが、結局彼女は何の為に登場させたのか…
収拾がつかなくなったのか、はたまた赤坂先生が作品への熱が冷めちゃったのか…これは打ち切りエンドと言われても言い返せません。
あとアクアとルビーが転生した意味についても深く言及されず転生要素を扱ってるのにアクアが再転生することもなくバッドエンドを迎えたのもいささか納得がいきません。
ギャグアニメとか異世界ファンタジーものだったらまだ許されますが、リアリティを重視している【推しの子】がその設定を軽視するのは失着かと…
やっぱり本編そのものが「嘘」という異次元の伏線回収を果たして伝説の作品に化けてほしかった…。これ程の大ヒット作でも放り投げのようなラストにしてもいいという作者と編集サイドの判断ミスとしか…
東京リベンジャーズの最終回と比較されている方を見かけましたが、個人的には東リべ以上に不満が残っています。
【推しの子】という令和トップクラスの名作でもこうなってしまうので、逆にいえばどんな作品でも最終話を迎えるまで油断できなくなりましたね。
炎上した理由3.読者・ファンの期待値が大きかった
アニメ『【推しの子】』公式サイト
推しの子は実際本当に面白い作品で、中でも1巻の内容と東京ブレイド編は尋常ではないくらい面白かったです!!
今まで積み上げてきたものがあまりにも大きいからこそ、どうしてもファンの期待が高まり続け、その期待に応えられない結末が描かれると必然的に批判が生まれます。
【推しの子】も勿論例外ではなく、特にファンが望んでいた壮大なハッピーエンドやどんでん返しといったものがなく、中途半端にルビーの成長を描いた結末に不満が集まりました。
私も勿論、登場人物の大数が不幸のまま終わった【推しの子】のラストは否定側です。
炎上した理由4.有馬かなの扱い
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会
一時は「あんたの推しの子になってやる!」という清々しいまでのタイトル回収を務めた彼女が最終的にはお葬式で献花撒き散らしながらアクアの死体にビンタし、挙げ句の果てに肝心な最終回では台詞なし、しかもアイドルを辞めて観客側に立つというなんともひどい仕打ち…
有馬は必ず売れるって言っていたアクアの言葉は全部嘘だったのでしょうか…??
勿論、有馬かな以外も例外ではなくルビーのしばらく闇落ち状態だったのに最終話で急に立ち直ったりするのも違和感がありますし、終盤は全体的にキャラクターの扱いが雑だったかなぁと…
炎上した理由5.急展開で打ち切り感が強い
【推しの子】の結末は確かに急すぎて、無理にまとめた感や打ち切り感が強く感じられました。
多くの伏線が未回収のままで終わり、急転直下で物語が終息に向かうような印象を受けました。
物語が展開する中で積み上げてきた伏線やキャラクターの成長が、最後の方で急に片付けられてしまったような感覚があり、終わり方に対して消化不良な部分が残ります。
特に、物語のテーマや登場人物たちの運命があまりにも急激に決着を迎えてしまい、もう少し時間をかけて丁寧に描かれれば、もっと納得できたのではないかと思います。
正確に言うと打ち切りではありませんが、終わり方に物足りなさを感じたのは確かです。
炎上した理由6.平坦な結末
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会
【推しの子】は、芸能界の表と裏を鋭く描写しつつ、転生や神秘的な要素を巧みに取り入れた作品として、多くの読者を魅了してきました。
物語の冒頭で主人公が転生するという斬新な設定が登場し、それが単なる奇抜なアイデアにとどまらず、キャラクターの心理描写やストーリーに深みを加える重要な要素となっています。
中でもオカルト的な要素が、現実的な芸能界の描写と見事に融合し、作品の独特な魅力を生み出していました。
しかし、最終回ではその転生という重要な設定が十分に活かされなかったことに対して、「平凡な終わり方だった」と感じた読者が少なくありません。
序盤でのインパクトは絶大だっただけに一部のファンにとっては消化不良のように期待外れの結末と感じられたのです。
【推しの子】最終回の良かったところ
ここまで否定的な感想ばかり述べていたので良かったところもしっかり語っていきます。
まずアクアがルビー達にとって大切なものを守ってくれたのは何よりでした。
ルビーがラストに亡き兄と母も含めた家族にむかって行ってきます!って言うのも感動的でしたね。
またアクアが死亡したのちに、有馬かなは大きな注目を浴びていたルビーを記者のパパラッチから守り、追い払う場面がありました。
これはスキャンダル編で、アクアが自分たちがアイの子供であることを公表することで、有馬かなを過去のスキャンダル記事から守った恩をしっかりと返した瞬間でもありこの場面まで描いてくれたのは素直に嬉しかったです!
アクアの死後、傷が完全に癒えないものの、アクアの死を受け入れて前に進むみんなの強さが強調されていたのもとても良かったです‼︎
カミキ・ヒカルが改心したと見せかけてそのものが演技でしっかりラスボスとしての存在感を放っていた点もグッド。
あとは言うまでもなく横槍メンゴ先生の繊細な作画は本当に終始素晴らしかったです‼︎
細かい表現やキャラクターの感情の機微によって視覚的に魅力的な作品を作り上げていました!
【まとめ】推しの子最終話ネタバレ感想
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会
改めていかに最終回が大事かってことが分かりましたね。結末次第でどんな作品でも名作にも駄作にもなりえる。
個人的に今まで観てきたアニメ作品で特に酷いと思ったのはTV版エヴァンゲリオンの最終回ですが、【推しの子】は本当にそれに次ぐレベルで厳しい最後だったかなぁと…
ただし他の作品でもっと酷いのあったからと言って気にならないわけでは当然ありません。
これまで魅せられてきた素晴らしい脚本、貼られていた伏線の数々、必死に積み上げてきたものの最後がアレで、今まで楽しみにし続けてた読者が満足できたかという話なんです。
初回1話、恋愛リアリティショー、東京ブレイドあたりのあの異常なまでの面白さははたして幻だったのか…
ここまで炎上したのならせめてアニメだけは結末を大きく変えて欲しい…
【推しの子】のアニメ製作陣はあまりにも優秀すぎるので、いい意味で視聴者を上手く騙しきって欲しいと心の底から願っています。
総じて、有馬かなは【推しの子】になれず、ツクヨミの存在意義も明確に描かれないまま、ルビーはアクアから何かを遺されたわけでもないのに、唐突に立ち直り、終いに「この物語はフィクションである」という言及もなく、視聴者にとってはとことん消化不良な印象を残す結果となりました。
【推しの子】は中盤までは紛うことなき名作ですが、終盤以降がかなり足枷になった印象です。
[第一話]【推しの子】 – 赤坂アカ×横槍メンゴ | 少年ジャンプ+
©赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社・【推しの子】製作委員会様より引用
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